大阪で舞う

2/3(土)に大阪城ホールにて日本室内陸上が行われました。
海外では良く行われている室内陸上ですが、国内で行われるのは今大会だけとなります。
U16、U18、U20の各区分と日本選手権が行われました。
RIXPERTからはU16男子走幅跳に1名の選手が出場しました。

RIXPERTから出場
中2 男子 U16走幅跳 6m63   決1    

会場の大阪城ホールは2月にはTravis JapanやL’Arc〜en〜Cielといったアーティストのコンサートが開催されるようなホールです。そこに土台を作り、その上にタータンが敷かれて競技が行われます。
そうした構造のため、いつもの競技場とは弾み具合や足音も違います。
ロイター板のような感覚に近いでしょうか。

室内のため、ゴールの先には走高跳のマットが置かれそこにぶつかって止まったり、走幅跳では砂場の大きさの関係で踏切板から砂場までの距離が2m→4mになったり、今大会では行われませんでしたが、200m以上の競技ではバンクのある周回コースを走ったりと、室内陸上は普段とは違った景色が楽しめます。

そんな室内陸上の最もありがたい点が暖かいこと!
当日の会場内は暖房がつけられており、館内は22℃という暖かさ。
普段の寒さと比べれば、何もしなくても体が動きます。

会場を見渡せば、日本のトップ選手をはじめ一流の選手が集まっています。
そうした中でも、昨年のU16陸上大会に出場している経験もあり、物怖じすることなく落ち着いて行動することができました。
ウォーミングアップは館内の周回ロビーで体を動かし、隣の体育館で刺激入れと最終確認を行い競技に向かいます。
招集では、全国大会ということもあり商標規定がしっかりしています。
規定以上の大きさのスポンサーと関係のないロゴはテープで隠されました。

12時30分。
U18男子走幅跳と並行して競技が始まりました。今大会は5回試技となります。
本大会は、冬季練習の真っただ中ということもあり、この大会にコンディションを調整してきたわけではありません。そうした中で、シーズンを見越した「試合の流れ作り」をテーマに大会に臨みました。

1本目は助走が合わずファール。
1本目は出力を抑え気味で入ったにも関わらず、予定していた歩数より1.5歩も少ない歩数で踏切板に到達してしまいました。
室内特有の弾みに助走の感覚がかみ合わない様子でした。

2本目は助走距離を伸ばしますが、今度は踏切板を踏むことのない跳躍になります。
助走スピードが上がってきた3本目は踏切位置は合うものの、踏切動作のタイミングがかみ合わず記録を伸ばすことはできませんでした。

迎えた4本目は助走から踏切の流れがかみ合います。
6m50の記録で1位とは2cm差の2位につけました。

迎えた最終跳躍。
観客に手拍子を求めた中での最大出力での跳躍となります。
「行った!」
踏み切った瞬間にそう感じさせた跳躍は、これまでの屋内ベストを上回る6m63の記録で見事1位!
上位陣が記録を伸ばすことなく競技が終了し、見事優勝を飾りました。

日本一になったこと。
この時期に、この練習過程での好記録。
どちらも価値のあることに変わりませんが、選手の持つポテンシャルを考えれば予想の範疇の結果でもあります。

それ以上に、今大会では選手の持つ「修正力」に驚かされました。
久しぶりの大会や普段とは異なる走路の中での競技でも、1本1本ごとに課題を修正し、最終跳躍に向けて完成度を高めていくことができました。
もちろん中コーチの的確な指示もありましたが、何より本人のすぐれた身体感覚があったからこそです。
大会の中で成長していく。
まさにその言葉がぴったりとなる結果でした。

「前日から試合への緊張感が高まらなかったが、会場入りしてからは独特の雰囲気や室温の高さを感じて、跳躍が楽しみになった。もう少し助走スピードを上げられる感覚はある。」

競技が終わっての選手の感想に、底知れない可能性を感じます。
40年間更新されていない県中学記録(7m06)の更新、夏の全中での優勝と期待が高まりますが、大切なのはその先です。
現在世界のトップレベルと伍しているハードルの泉谷選手や、やり投の北口選手は、中学生時代からその種目だけを専門としてきているわけではありません。
この1年を到達点とするのではなく、この1年の全てを将来に向けた通過点としていきましょう。
そして、それはクラブに所属している選手たち全員が、むしろ全国すべての中学生たちが同じです。

競技終了後には、クラブの練習をしていた仲間達からのお祝いメッセージ動画も届きました。
一人の活躍がチームに大きな刺激を与えてくれます。
そして、刺激を受けた一人ひとりのがんばりが、さらにチームに刺激を与えてくれます。

日本一になった選手が身近にいることは、これ以上ない成長のチャンスになります。
チームには今回優勝した選手と同じくらい段跳びが跳べる、より遠くへメディシンを投げられる選手達もいます。

後に続きましょう。
相乗効果を生み出しましょう。
思考を変えていきましょう。

例え目的地にたどり着けなかったとしても、遠くを目指せば遠くに行けます!



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