スポーツの力

スポーツができなくなる環境

緊急事態宣言により、活動中の各施設が使用できなくなりました。
RIXPERTの活動も大きく制限されることとなりましたが、現在は陸上クラブの会員を対象に、できる限りの活動を継続して行っています。

こうした「スポーツができなくなる環境」になると、改めてスポーツの力を実感します。

体を動かすことの気持ちよさ。
全力疾走後の息が上がる苦しさ。
晴天の空のもとで動く解放感。

やはりスポーツには力があります。

この夏の感動

このことは、この夏に開催されたオリンピックやパラリンピックでも十分に感じられたたのではないでしょうか?

限界に挑むアスリートの姿。
様々な困難を乗り越えてスポーツに取り組むパラアスリートの姿。

参加する選手一人ひとりに物語があり、その姿から勇気や感動をもらうことができます。

皆さんはどの瞬間が印象に残っていますか?

著者(野村コーチ)の個人的には、車いす競技です。
車いす競技を見ると、いつも思い出してしまうことがあるんです。

スポーツの力

2012年に岐阜国体が開催されました。オリンピック後にパラリンピックが開催されるのと同様、国体後にも障がい者の全国大会(岐阜の場合は清流大会)が開催されました。

審判として800mの車いす競技に関わった時です。

出場選手には、同年のロンドンパラリンピックの入賞者をはじめ、競技用車いすを使用する選手が並びました。その中に一人、普通の車いすで参加している選手がいたんです。
介護現場などで使われる、「普通の車いす」です。

そして、その選手、

めちゃくちゃ遅いんです。

競技用車いすの選手が1週通過するころには、まだ100m程度しか進んでいません。バックストレートでは周回遅れになり、トップ選手がゴールするころにはまだ200m地点です。

「あんなに遅くてあの選手は何を思っているんだろう?出る意味ある?」

当時の私はそんな思いで競技を見つめていました。
そして、その選手が圧倒的大差の最下位でゴールする瞬間です。

その選手はガッツポーズをしていました。

それと同時に、私の目がいかに腐っているのかを見せつけられました。
遅いとか、順位が悪いとか、そんなことは関係なかったのです。

全力で競技に取り組み、ゴールに向かう。
それだけです。本当はそれだけで十分なんです。
それだけでも十分な力をスポーツは持っています。

陸上競技を続けていくにつれ、記録を気にしたり、順位を気にしたり、いつしか「狭い」陸上競技になってしまいます。

でも本来のスポーツは、そんな小さく狭いものではありません。

RIXPERT選手の皆さん、陸上競技に取り組む皆さん、気づいたら「狭い」陸上競技になっていませんか?
指導者の顔色を気にしたり、自分のプライドを気にしたり…。

そんな場合は、今一度スポーツの力を実感することが大切です。
自分の知らないスポーツの世界に触れたり、ただただ体の声に耳を傾けたり。
そこからが新しいスタートとなるでしょう。

スポーツには力があります。

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