他者を見て己を知る

1/25(土),26(日)に昨年に続く中津川合宿を行いました。
両日ともに絶好の晴天に恵まれ、1日目は中津川競技場で地形を利用した練習と中津川TFCとの合同練習、2日目は多治見の星ケ台競技場に移動し東濃地区の強豪高校との合同練習を行いました。

合宿ということもあり、出発から少しいつもとは違った高揚感があります。
マイクロバスを含む3台の車に分かれ、中津川に向けて出発しました。

1日目の午前中は中津川競技場では地区高校駅伝が行われていたため、午前中は階段と坂を利用したトレーニングを行いました。
高台の競技場ということもあり、階段の上は絶好の見晴らしです。
そんな景色を背景に行うのは、シンプルかつ地味な練習。
そう、階段の上り下りです。

アップで行ったジョギングでの5往復ですでに1年生からは悲鳴が聞かれました。
まだ合宿は始まったばかりです。

段差を利用した骨盤ドリル、動き作りを行った後は、昨年に続き階段ダッシュ10本!
4人1組で行い、1位は次の列へ、そして4位は前の列へ。
速い選手が後ろの方に集まる方式で実施しました。
一度リズムを失ってしまうと途端に失速してしまいます。
段差上りの精鋭達が集った10本目の最終組では、2年生男子スプリンターが先頭で階段を上り切りました。

ケガにより階段ダッシュができない選手たちも補強を行い自らを鍛えます。
何もしなくても足が震えだす選手。
休憩で倒れ込む選手。
午前中の最初の練習からいつも以上に追い込む練習となりました。

その後は舞台を坂に移しての坂ダッシュです。
競技場のすぐ横に長い階段と長い坂がある。
なんてうらやましいロケーションでしょう。

30m,70m,120mの坂ダッシュ。
坂でもやることはシンプルです。
タイム順にグループ分けをし、同じくらいの走力の選手たちで競いました。

強度の高い練習となりましたが、こうした練習も合宿という特別な雰囲気があるからこそ行えるものとなります。
午前練習が終わったあとは思い思いの場所で昼食を取り、午後の練習に備えました。

午後は昨年に続き中津川TFCとの合同練習を行いました。
全国大会優勝者を複数育てられた指導者の先生のもと、多くの活躍選手を輩出しているチームです。
前半は中津川TFCの練習、後半はRIXPERTの練習、そして最後に全体でのエンドレスリレーを行いました。

前半の中津川TFCの練習では骨盤ドリル、階段ドリル、ダイナマクスの3種目を実施しました。
ペアやグループとなり、中津川TFCの選手1人1人が動きの説明をする中での実施となりました。
昨年も感じたことですが、中津川TFCの選手たちは運動を言語化する能力とリーダー性が優れており、どの選手も主体的に分かりやすく説明してくれます。

動きの理解なくして言語化はありません。
練習内容ももちろんですが、選手一人ひとりの意識の高さと理解の深さで見習うべき部分が多く見つかりました。

後半はRIXPERT主体のメニューとしてRIXアップ②、③とドリルを行いました。
ドリルでは中コーチが技術の構成要素をもとにした動き作りを行い、RIXアップ②、③では今度はRIXPERT選手が教える立場となりました。

果たしてちゃんと教えることができるのか…..
コーチ達には一抹の不安がよぎりましたが、その不安もよそに、選手たちはしっかりと教えることができていました。
細かいポイントまでちゃんと説明することができている姿に頼もしさを感じました。

前半の中津川TFCの選手たちの姿があったからこそ、RIXPERTの選手達も気合が入ったのではないでしょうか。
学習内容の定着には「教えること」が一番だというラーニングピラミッドというものがあります。
お互いに教え合うということは、自身の理解を深めている瞬間でもあります。
教え合い、学び合い、高め合う。
これぞ合同練習であり、中津川まで来た価値のあるものとなりました。

最後は全員で100m×3本のエンドレスリレーを実施。
チーム決めの際には「2分以内に全員がタイム順に並ぶ」という課題も見事クリア。
暖かさもあり、スパイクを履いてのスピードレベルの高い練習となりました。
何よりチームの垣根を超え、全員でやり切るという一体感を得られるものとなりました。
中津川TFCの皆さん、今年もありがとうございました!

10時から17時近くまでの練習を終え、選手たちもさすがに疲労の色が見られました。
ここからはリラックスタイムということで、ホテルに移動し、近隣のレストランで食事をとり翌日の練習に備えます。

普段は練習でした顔を合わせることが無い選手がほとんどですが、宿泊を伴う長い時間を過ごすことでいろいろな姿を見ることができたのではないでしょうか。
普段は見ることのできない他者の姿を見ることができることも合宿です。

2日目の朝はかなりの冷え込みとなり、車のフロントガラスには氷がはっていました。
この日も絶好の晴天となり暖かい気候の中、場所を多治見の星ケ台競技場に移し東濃地区の高校生のみなさんと合同練習を行わせてもらいました。

アップではグループに分かれ高校生の選手たちが主体となって指導をしてくれます。
練習の意味と動きの理解、そして教え方の上手さはさすが高校生です。
前日の練習で自分が教えた時と比較してどうでしたか?

その後は、高校の強化も担当している先生から姿勢とミニハードルでの動き作りを指導していただけました。
高校生の練習に混ざることで、男子では10秒台、女子でも12秒前半の選手という普段よりもさらに一段階レベルの高い選手たちと一緒に練習することができます。
そうした選手たちの動きやリズム、タイミングを肌で感じさせてもらうことができました。

最後のメニューは1本ずつ走る距離を伸ばしていく30秒走を3本2セット。
さすがに中学生には負荷の高いメニューとなるため、選手の力に応じて様子を見ながらの実施になります。
しかし、始まってしまえばがんばるのがRIXPERT選手たち。
30秒以内でのゴールに向けて死力を尽くします。

さすがに2セット目は厳しくなる選手が多かったものの、2年生男子選手は一番速い先頭のチームで高校生の選手に喰らいつくなど、こちらの予想を上回る走りを見せた選手たちもいました。

みんな気付いていたでしょうか?
キツイ練習の中でも高校生選手たちは他のグループの走りに常に「ファイトー!」「がんばれー!」の声を出し続けてくれていました。
これぞチームです。
ぜひそんな姿勢も見習っていきましょう。

高校生は3セット目を行う中、RIXPERTは2セットで終了し帰路につきました。
レベルの高い選手、そしてチームと触れ合えた貴重な時間となりました。
高校生のみなさん、ありがとうございました!

今回の合宿はどうだったでしょうか?
キツかった?楽しかった?
それだけで終わってしまってはもったいない!

中津川TFCの選手たちは所でこんな練習をしているんだ。
大会でメモリアルセンターに来るときはこれだけ時間がかかるんだ。
きつい練習の中でもみんなこんながんばっているんだ。
他の選手は夜にこんなことをしているんだ。
高校生はこんな練習をしているんだ。

そんなことを感じられるだけでも、自分自身の置かれた環境というものがはっきりと見えてきます。
合宿という普段以上に他者と触れ合う時間が多くなる時間を通して、改めて自分というものが見えてきたりしてないでしょうか。

違いがあって当然です。
そして違いに良いも悪いもありません。
大切なのは違いを知ることであり、己を知ることです。

質の高い練習ができたことはもちろん、キツイ練習をやりきったことは大きな自信になります。
そこに他者を見ることで自分への理解が深まればこの合宿はさらに価値のあるものとなります。
参加者のみなさんにはぜひそんな視点から合宿を振り返ってもらえらえればと思います。

大きなトラブルもなく、晴天に恵まれた2日間を終えられ何よりでした。
関係者の皆さん、ありがとうございました!

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