11/16(日)にメモリアルセンター補助競技場を利用して多種目練習会を行いました。
本来であれば1週間前の11/9(日)に午前中は小学生、午後は中学生以上で行う予定をしていましたが、ピンポイントにその日だけ雨…。
申込み人数も合わせて70名を越える盛況ぶりでしたが残念ながら中止となり、その代替日として中学生以上のみの実施となりました。


多種目練習会では300m、ハードル、走幅跳、砲丸投の4種目に取り組みます。
今年は10/25(日)の各務原秋季スプリントが中止になったこともあり、そこに100mも加えることとなりました。
最初に全員で100mを行い、その後はハードル、走幅跳、砲丸投をローテーションで巡り、最後に再び全員で300mを走る流れになります。


競技場の使用時間の関係を考慮し、アップは芝生広場を利用して各々で行います。
練習会と言っても、近いタイムの選手達で編成されたプログラムを見ると自然に力が入る選手たち。
同じチームのメンバーがここまで勢ぞろいで競い合うことは初めても言え、入念にアップを行う姿が見られました。
簡易的な開会式を行い、保護者の皆さんも芝生で見守る中、100mの測定からスタートです!


男子の1組はユニフォーム姿に身を包んだ3年生選手達が登場。
昨年ユニフォーム姿だったのは1名だけでしたが、その先輩選手の魂がしっかりと後輩に引き継がれていました。
そしてレースは1着が11.2台という大会さながらのハイレベルなレースとなりました。
タイム測定にも力を入れ、RIXPERTのシステムを活用した0.0167秒秒単位での計測なだけに、信頼性も高いものとなります。
2組は2年生選手が自己記録を上回る記録で1着。
3組目では1,2年生選手が同じタイミングでゴール。
写真判定の末、僅かに1年生選手に軍配が上がりました。
4組目では投てき選手が1位でゴール。
中長距離を専門とする高校生選手もゴール後には全力疾走の爽快感に満足そうな顔をしていました。


女子では1組の3年生選手が12秒6台の好タイムでゴール。
この条件下でのタイムだけに、夏を越して完全に一段階上に地力があがりました。
注目の2着争いは2年生選手が自己記録に迫る記録で続き、その僅差に1年生選手が続きました。
1着でゴールした3年生選手を目標に、1,2年生選手達が来年のチームの主軸となっていきます。
2組では1年生選手が自己記録に迫るタイムでゴール。
10/25の各務原がデビュー戦となる予定だった2年生選手も、ここでデビューを迎えました。


記録の良し悪しや着順、勝ち負けなどもありますが、こうしてみんなで競い合うことも楽しかったのではないでしょうか?
記録の水準も高く、シーズン終了後だからこそ気楽に行えて良かったのかもしれません。
やっぱり100mの原点は誰がゴールまで一番にたどりつけるかのかけっこです。
そうした純粋な気持ちを思い出せる貴重な機会となってくれれば何よりです。


100m終了後は3グループに分かれ、3種目のローテーションとなります。
走幅跳では踏切板を設置し、ファールもしっかりと判定します。
1回目に記録残し,2,3回目に勝負をかけるもファール。
そんな選手達もいました。
こうした3回の跳躍でどう記録を残していけるかも走幅跳の重要な要素です。
一同で会し大会形式で行うことでこそ経験できることです。


走幅跳を専門とする選手達がここは本領発揮と意気込みますが、1位は男子では3年生、女子では1年生の短距離を専門とする選手となり、専門性をスピードが上回る結果となりました。
といっても、両選手ともにこれまでも走幅跳の練習を行ったり大会に出ていることもあり、もはや専門種目が何かとは言えないのかもしれません。


ハードルは多種目練習会では毎年鬼門となります。
高い、固い、怖いハードルに対し、10回も打ち勝っていかなくてはならない種目です。
とは言っても安全性を最優先し、スポンジハードルも準備しての実施となります。
女子では1年前はスポンジでしか走れなかった選手たちが、今年はしっかりと正規のハードルに挑戦していきます。
3歩で走れる選手もいれば、4歩や5歩となる選手もいますが、そんなものは関係なくその挑戦心の向上に感動を覚えました。
1年生を含め、全員が正規のハードルで記録を残すことができました。
全体の1位はハードルを専門とする2年生女子となり、2番手に続いた3年生女子選手はここにきてハードルが格段にうまくなってきました。
多種目に取り組んできたからこそ、高校生では400mHまで含めて活躍の幅が広がります。


男子では1年生は一般高校女子の規格での実施です。
本番で強さを見せて3歩で10台を走り切る選手もいれば、3・5・5・3歩などリズムが中々そろわない中でも果敢に挑戦していく選手もいました。
100mでは1秒近い記録の開きがあるにも関わらず、ハードルとなると逆転して1秒以上の差が開くのもハードルならではです。


2,3年生は中学男子の正規の高さでの実施となります。
さすがにハードルは高くインターバルも広くなり、専門としていない選手達にとっては3歩で走ることはかなりの難易度となります。
2年生選手たちは5歩となったりもしましたが、こちらも全員が記録を残すことができました。
ハードルにぶつけながらも好タイムを記録したり、10台を3歩でいけたことで着地の時点で歓声を上げたりと、ハードルでの来年の活躍が楽しみな選手達もいます。
3年生選手たちはさすがの力で3歩で跳んていきますが、1年前からそうであったわけではありません。
この1年の技術と体六の成長を改めて実感できる結果となりました。
専門種目関わらずハードルを3歩でしっかりと走りきれるかどうかは重要な体力指標となります。
1位は14秒台に迫る記録で走幅跳に続き3年生選手となりました。


砲丸投は男子では通常では5kgの砲丸を使用しますが、四種競技と同様に4kgの重さの砲丸を使用します。
女子は通常と同様に2.72kgの砲丸を使用です。
重い物を遠くに飛ばす。
そこには当然ながら技術も必要となりますが、何より絶対的なパワーが必要となる種目です。
こちらも基礎体力の指標としてはもってこいとなる種目と言えます。


男子では、投てきを専門としてきた2年生選手達が奮発しますが、その記録を先の3年生選手が上回っていきます。
10mを越える記録で、走幅跳、ハードルに続く全体の1位となりました。
女子では高校生になって参加してくれた高1選手が圧倒的なパワーで1位となりました。
高校生となり順調に体力面が強化されており、今シーズンのスプリントでの成長ぶりを裏付ける高校生らしい成長が見られました。
また100mで1位だった女子選手がグライド動作を上手くこなして8mを越える記録で2位になりました。
細い体のどこにそんなパワーがと思わせられますが、うまく砲丸に力を伝えることができていました。


そして最後は全員での300m。
こちらも走力順に組わけをし、レーンは直前のくじで決めることになりました。
日が暮れてから時間がたったこともあり、冷え込みも感じられる中、それまでの4種目の疲労もあります。
それでも最終種目だからこその雰囲気もあってか、しっかりと前半から突っこめていました。
意地とプライドもぶつかり合いながら、最後はヘロヘロになりながらゴール。
立ち上がれなくなるのも、それだけ力を出し切ったからこそです。


全てをやり切った後の顔からは、どの選手からも達成感を感じ取ることができました。
最後は閉会式代わりの集合を行い、無事に誰もケガすることなく終えることができ何よりました。


記録を集計すると、男子では4種目全てで1位となった3年生選手が2,500点を越える歴代最高記録での総合1位となりました。
記録だけを見るとどの種目が専門種目なのか分からなくなります。
短距離種目で全中・国スポ・U16と出場してきた選手でしたが、その総合力の高さが専門種目での活躍を裏付ける結果となりました。
総合力の指標となる2,000点越えは、2位となったスプリント力で双璧をなす3年生選手、3位のハードルで得点を稼いだ2年生選手が果たしました。
3年生の中には、昨年から500点も得点が上がった選手や中には700点も得点が上がった選手がいます。
今の2年生も来年にはきっと多くの選手が2,000点を超えてくることでしょう。


女子ではこちらも100mでRIX記録を更新した3年生選手が1位となり2,000点越えを果たしました。
2位には高1選手、3位には3年生選手と上級生が上位に続きました。
それに続く1,2年生選手達もまだまだ成長の余地を残した選手が多く、これからが楽しみです。
この4種目で2,000点を越える力があれば、専門種目での好記録も間違いありません。
今年の結果が、まさにそのことを証明しました。


混成競技の各種目の得点の計算方法は、記録と種目ごとに決まるa,b,cの3つの数字から計算されます。
少し難しいかもしれませんが、中学生の数学で習う内容でも十分に理解できる内容です。
受験を控えた3年生選手達、大丈夫でしょうか?
得点 = a×(b-記録)のc乗
男子100mの場合は[a:25.4347][b:18][c1.81]となる。
女子走幅跳の場合は[a:0.188807][b:210][c:1.41]となる。
a,b,cの共通している数値が種目によって変わることで各種目の得点は計算されます。
記録とたった3つの数字だけです。
そして、実際の競技だってこれと同じです。
全ての種目に共通するのは、[力の大きさ]と[力の使い方]です。
この両者のバランスで記録が決まると言っても過言ありません。


実際の競技では、どれだけ大きな力を発揮できるか、そしてその力を前や上や道具など目的に応じて上手く使えるかが重要となります。
力を前に向けるのがスプリント種目であり、斜め上に向けるのがハードルや走幅跳となり、道具に伝えるのが砲丸投と言えるでしょう。
BASEとなる力があり、その力を種目に応じて上手く使うことができればどの種目でも記録が残せます。
そして、それは専門種目をさらなる高みへと導きます。
それは男女の総合1位となった選手たちがしっかりと示してくれました。


力が大きくてもその使い方が下手では記録は伸びません。
同じく、どれだけ力の使い方が上手くとも、そもそもの力が小さいものでは記録は伸びません。
全てのBASEとなる基礎体力をどんどん向上させていきましょう。
色々な種目に挑戦し、力を上手く使える選手になっていきましょう。
その先に大きな飛躍が待っています。
大切なのは[力の大きさ]と[力の使い方]です。
だからこそ多種目に取り組むんです。
それはこの冬も変わりません。

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