「走るのが速い」ことは、多くのスポーツにおいて大きな武器です!何よりかっこいい!
先日の布施スプリント100mでは、山縣選手(セイコー)が日本記録となる9秒95をたたき出しました!
(筆者は2014年3月にアメリカLAで山縣選手と数日間練習を共にした経験がありますので、彼が日本記録保持者となったことを大変嬉しく感じています。)
そんな「走るのが速い」の代名詞と言える陸上競技の短距離走や跳躍種目に必須な最大(最高)疾走速度、つまり、どれだけ速いスピードが出せるかという能力について今回紹介いたします!
100m走では、二次加速局面または最大速度局面などと呼ばれる60m付近のスピードがタイムに直結し、
走幅跳では、おおよそ踏切の3歩前までに高い助走スピードを得ることが重要です。
一例をあげると、
山縣選手が100mで日本記録を樹立した時の最高疾走速度は11.62m/秒(9秒95)であるのに対し、2018年の織田記念では11.36m/秒(10秒17)、
また、2019年世界陸上で日本人初の男子走幅跳入賞を果たした橋岡選手は、ベスト記録時で10.67m/秒(8m32)、同年の日本選手権で10.39m/秒(7m98)がそれぞれ助走の最高速度だった(日本陸連科学委員調査)、
というように、高いスピードを出せたかどうかが記録に大きく影響していることが分かりますね。
ではなぜトップアスリート達は、このような高いスピードを出すことができるのでしょう?
まず、“疾走速度が高い”というのは、ピッチ(1秒あたりの歩数)とストライド(一歩あたりの移動距離)がともに高いレベルであると言えます。
また、ピッチは、足が地面についている支持時間と、身体が地面に触れていない滞空時間の合計時間です。この、
走るのが速い=高いピッチ(短い支持時間+短い滞空時間)×大きいストライド
という構造はすごくシンプルですが、ピッチを構成している滞空時間は、ストライドが大きくなるとともに必然的に長くなりますし、ピッチを上げようとするとストライドが短く、ストライドを長くしようとするとピッチが下がってしまうなど、実はその本質はとても複雑なのです。
つまり、まず目指すべきなのは、
短い接地で大きなストライドとなるための動きとパワー
ということになります!
下の図のような動きの意識は、筋力やパワーの備わっていない小中学生でも取り組むことができるとリクスパートは考えています。
このような動きの意識を身につけると同時に、発達過程にあわせてウェイトトレーニングやプライオメトリックトレーニングに取り組み、筋力・パワーを向上させていくことが有効かなと思います。
リクスパートでは、こういった動きの意識づけや、理想の動きを可能とする体づくりトレーニングを考案し、その成果を動作分析やコントロールテストで評価することで、選手一人ひとりに最適な指導を目指しています!
次回は、筆者が得意な走幅跳について、「走幅跳の真理」を伝授したいと思います!
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