栄光の跳躍

10/12(金)から10/15(火)にかけて佐賀県にて国民スポーツ大会が行われました。
昨年までは国民体育大会として開催されましたが、世界的に広く用いられている「スポーツ」の語を基本的に用いるべく国民スポーツ大会に名称変更されました。
地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与することを目的として各都道府県持ち回りで開催され、今年で78回目を迎えます。
岐阜県代表として選手団が編成され、競技結果を得点化し都道府県別の合計点を争う大会にもなります。
RIXPERTからは中学3年生の男女選手2名が県代表に選出され、佐賀の地に向かいました。

RIXPERTから出場
中3 男子 少B走幅跳 7m21 0.3 決1 PB
県中学新
中3 女子 少共走幅跳 5m40 1.7 決28

男子選手は少年B走幅跳に、女子選手は少年共通走幅跳に出場します。
この種目区分は国体のみの独特な区分となります。
少年B種目は中学3年から高校1年生まで。
少年A種目は高校2~3年生まで。
少年共通種目は中学3年~高校3年生まで。

ということで、同じ中学3年生でも男子選手は中3~高1までの区分、女子選手は中3~高3までの区分での出場となります。
女子選手の記録は県内の高校生を大きく上回るレベルで突出していたこともあり、共通区分ですが県代表に選出されました。
どの区分でどの種目が開催されるかは、日本陸連の強化方針や開催県の意向によって2年ごとに変わっていきます。
来年の2025年滋賀国スポからは種目が変更され、今年は少年共通種目で開催される女子走幅跳も来年からの2年間は少年B区分で行われることが決まっています。

その少年共通区分での出場となった女子走幅跳では追い風の中での競技となりました。
夏の全中では第一跳躍者としていきなりの跳躍でしたが、今大会はBピット17人中の13番目と落ち着いて準備をすることができます。
1本目を落ち着いて入ると、2本目はファール。
3本目を迎えた際には、決勝進出ラインが5m80越えと追い風に乗った高レベルの記録が続きます。

3本目は記録を伸ばすものの、着地の際にわずかに足が早く落ちてしまい大きく記録を伸ばすことはできませんでした。
決勝進出ラインも5m89となり、自己ベストこそ上回っているもののセカンド記録よりも上の記録水準となりました。
普段とは全く違う高校3年生までがいる中の大会でその水準の記録を保つことは簡単なことではありません。
逆に、ここまで高いレベルの大会を経験できたことが大きな財産となりました。

少年B区分で行われた男子では、中学3年生選手が全中のリベンジを目指して出場となりました。
全中では1,2回目にファール。追い込まれた3回目には動きを見失ってしまっての予選落ちです。
そして、今回も1回目はファール、2回目もあまり記録を伸ばすことができませんでした。

誰れもが全中の記憶がよぎったであろう追い込まれた3回目。
全中と同じ状況でも、追い込まれた経験があることが今回の大きな違いでした。

「今度は場を飲み込んでやる。」

自分に負けることなく、しっかりとスピードを出した強気の跳躍で今シーズン初戦以来の自己記録更新となる大跳躍で6位に浮上しました。

そして決勝に進んだ4回目。
ドンピシャの踏切から描く放物線は7mを越えた位置に着地します。

電光掲示板に表示された記録は7m21!!
会場の岐阜県チームからも大歓声が上がりました。

実に39年ぶりに岐阜県中学記録を15cm更新ならびに全国中学歴代9位タイとなる大記録でトップに立ちます。
5,6回目は記録を伸ばすことはできませんでしたが、大会前の自己記録を上回り、特に6回目は強い向かい風の中で踏切にも大きく余裕があった中で7mに迫りました。

中学生の快記録に高校1年生選手たちも黙っていません。
6回目には7m10を越えてくる高1選手が現れ、最終跳躍者の高1選手も7mを越える跳躍を見せます。
固唾をのんで見守った記録は7m13。
優勝が決まりました!

記録にも順位にも大きな価値がある結果となりましたが、何と言っても今大会は3本目の跳躍につきます。
全中の悔しさがあったからこそ、そして3本目にその悔しさを乗り越えられたことこそが一番の価値あるものとなりました。
だからこそ、4本目以降の結果は必然と言えるかもしれません。

これで男女ともにRIXPERT選手が走幅跳の中学記録を更新することとなりました。
今シーズン前には、走幅跳の前中学記録保持者の先生にクラブにお越しいただき、両者の動きを見てもらう機会も作りました。
男子で39年間、女子で10年間止まっていた記録の扉を開けたのも、多くの方々のご協力、そして何より選手本人の努力の賜物です。
その瞬間を共に過ごせたことを何よりうれしく思います。

男女共に少年B区分で走幅跳が行われる来年の国スポでは高校生となった両選手のアベック優勝も現実味を帯びています。
そして、RIXPERTには後に続く選手たちがいます。
今回の活躍が後輩選手たちの意識レベルをさらに高いものに引き上げてくれました。

ここが両選手の物語のクライマックスではありません。
まだまだ序章です。
どれだけ凄い記録を出しても、どれだけ素晴らしい順位をとってもまだ中学生です。
周りからの期待やプレッシャーに押しつぶされることなく、自分自身で陸上競技を行う意味を探し求めていきましょう。
快心の一本を探し求める旅はまだ始まったばかりです。

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