速く走ること③ 走りの技術編

さぁ第3部作のなった今回のブログもいよいよラストです。
速く走ることについて、これまでにRIXPERTに蓄積されてきたデータをもとに見てきました。
最後にピッチを高めることについて見ていきましょう。

これまでのデータで、1年前のシーズンベスト記録の時のピッチと比べて、最もピッチが高まったA選手5.6%の上昇でした。タイムとしては0.7秒の短縮となります。
このA選手は、バウンディングとメディシンボール投げの成長率は平均以下です。

また、2番目となる3.8%のピッチの上昇率となったB選手も、バウンディングとメディシンボール投げの成長率は平均程度です。

ピッチが最も高まった両選手は、体力的には平均以上の伸びを見せているわけではありませんでした。

これらの選手は何が変わってピッチが高くなったのでしょうか。
答えとしては、走りが大きく変わっています。

まずはA選手のシーズン最高記録のそれぞれの動きです。※上段が下段に対し1年前
コマ1の接地から始まり、コマ8の次の接地では遊脚(空中の足)の位置が大きく違っていることが分かります。
上段はコマ6,7,8で足が跳ね上がる、いわゆる「足が流れる」走りになっていました。
一方下段の走りでは、足が跳ね上がりも太ももを前に引き上げてくることができています。

B選手も同様です。
上段コマ7に対し、下段コマ7では遊脚がより前に位置していることが分かります。
どちらの選手とも、足の流れが減り、素早い足の引き付けができるようになっていることが分かります。
足の引き付けが早くなれば、次の接地までも早くなります。
それがピッチが高まるということです。

RIXPERTでは、この遊脚の素早い引き付けを「切り返し」と呼んでおり、ミニハードルなどを通してその習得に励んでいます。

空中で足を入れ替える。
接地のタイミングに遊脚の引き付けを合わせる。

そんな感覚です。

そして、その技術を体現したのが我らが野村コーチ。
昨年の10/29の各務原では40代目前にも関わらず、ノンアップかつ特に練習もしていないのに11秒台を記録し周囲を驚かせました。
2年前に出場した際は12.1だったことを思えば驚きの成長です。
エンターテインメントのつもりの出場だった本人も驚いていました。

画像のコマ3,9,17の接地時に遊脚を遅らせない。
地面を蹴りすぎてしまうとタイミングは遅れます。
そして、タイミングが遅れるとピッチは高まりません。
スタートの1歩目からタイミングが遅れないように気を付けていたと野村コーチは言います。

このように、足の動きとピッチは関連しあっており、A・B選手のピッチの高まりは、足の切り返しが早くなったからという仮説が見えてきました。
このあたりは数値として表すことのできない部分です。

一方で、ピッチの伸びが高かった3,4番目の選手は、走りには目に見える変化が大きくなく、バウンディングやメディシンボール投げの数値が平均以上のかなりの上昇を見せたという結果もあります。

これは、もともと走りの良かった選手が、体力レベルの向上によってより素早い切り返しができるようになったからと捉えられるかもしれません。

いずれにしても、これができるようになればピッチが高まるという明確なものはありません。
選手ごとの特徴に合わせたトレーニングが必要。
やはり、そうとしか言えません。

速く走るためには、ピッチとストライドを高めていくことが重要です。
そして、そのためには個人個人の課題に応じた技術・体力トレーニングを行っていくことが最も効果的です。

1作目の最後に書いたこの言葉が全てです。
魔法のトレーニングなんてありません。

その中で、できるだけ多くの選手に効果があるようにしているのがRIXPERTのトレーニングです。
基本練習に速く走るための要素がつめこまれています。

さらに、RIXPERTではデータや分析などの「点」が蓄積され、今では「線」になってきました。
その蓄積のもと「分析」「パーソナルトレーニング」といったオプションによって、より個人に適したトレーニングを行えるようになっています。

速く走ることは難しい。そして思ったよりも奥深い。
だからこそ記録が伸びた時には達成感と喜びがあります。

ということで、3部作で終わる予定でしたがもう一つの書きたかったことが上手く入らなかったので、まさかの延長戦に突入します!

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事 おすすめ記事
  1. 速く走ること①  ピッチとストライド編

  1. オリンピックにこだわる

  2. 夏のハレの日

  3. 新しいクラブ様式

カテゴリー

アーカイブ

検索

TOP
TOP